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四条傘鉾（しじょうかさほこ）Shijokasa Hoko

応仁の乱以前の古い鉾の姿を伝え、頂上に赤幣・若松を花瓶に挿す。明治4年の巡行を最後に姿を消し、114年ぶりに再興。鉾は古記録に基き、北條早雲の菩提寺、臨済宗早雲寺の国宝の文台裂を再現したものを傘鉾のさがりとしている。

山鉾建ての位置：四条西洞院西

蟷螂山（とうろうやま）Toro Yama

中国「梁」の昭明太子の詩文集「文選」中には、「蟷螂の斧を以って降車の隧を禦がんと欲す」とあり、この古事にある蟷螂の性格と四条隆資卿󠄁の公卿󠄁には稀な武勇とが似ているところから、当時の町衆が、時の権力に対して、公卿󠄁の乗物である御所車に、蟷螂の模型を乗せたものといわれています。

山鉾建ての位置：西洞院通四条上ル

放下鉾（ほうかほこ）Hoka Hoko

放下鉾を俗にすはま鉾というのは鉾頭の日月星の三光が下界を照らす形に並んでいるのが州浜に似ているからです。天王座には放下僧の木彫人形を祀る。かつては長刀鉾と同様に生稚児を乗せていたが、昭和四年以降「三光丸」と命名された人形を乗せている。

鉾頭の形状

山鉾建ての位置：新町通四条上

鶏鉾（にわとりほこ）Niwatori Hoko

中国の昔堯の世には天下が良く治まり、訴訟の時打つ鼓にも苔がむして鶏がそこに巣を作ったという平和な説話を表したもので、鉾の上の三角の中の円形は諫鼓の中の鶏卵の意です。

鉾頭の形状

山鉾建ての位置：室町通四条下

長刀鉾（なぎなたほこ）Naginata Hoko

俗に「籤取らずの長刀鉾」という通り、この鉾は17日の巡行に毎年先頭を承って、長刀を竿頭高くかざして疾病邪悪を祓いながら厳然と進みますが、刃先は決して御所と八坂神社の方に向かぬように注意しています。この鉾のみ生稚児が正面に乗って巡行します。

鉾頭の形状

山鉾建ての位置四：条通東洞院西入

函谷鉾（かんこほこ）Kanko Hoko

中国の戦国時代、斉の孟嘗君が鶏の声によって函谷関を脱出できた故事を象った鉾で、天王座に雄雌の鶏と孟嘗君の人形が乗っています。

鉾頭の形状

山鉾建ての位置：四条通烏丸西入

菊水鉾（きくすいほこ）Kikusui Hoko

室町四条を上るところに昔は夷山があったが、天明八年の大火後菊水鉾を作った。菊の下水を汲む者長寿するという中国の南陽故事によったものである。元治元年七月焼失したが八十八年後の昭和二十七年再興巡行に加わりました。

鉾頭の形状

山鉾建ての位置：室町通四条上

月鉾（つきほこ）Tsuki Hoko

すべて「月」の意匠から成っていて、鉾頭に新月をいただき天王座には月読命の御神像をお祀りしてあります。破風、蟇股の彫刻は左甚五郎の作、天井裏の草花図は円山応拳の筆によるものです。

鉾頭の形状

山鉾建ての位置：四条通室町西入

船鉾（ふねほこ）Fune Hoko

全体を船に象り、神功皇后船出の状をうつしています。緋縅鎧に腹帯を結ばせられるのが皇后の像、これに従う住吉、鹿島の神々などの像を祀っています。皇后の神面は安産の奇瑞があり宮中を始め庶民の信仰が篤い。

山鉾建ての位置：新町通綾小路下

岩戸山（いわとやま）Iwato Yama

古事記、日本書紀に記されている天の岩戸開きの神話を表した山で、白衣に鏡を懸けられた天照皇大神と唐冠をいただいた手力雄命を祀る。屋上には天瓊矛をつき出した伊弉諾尊の像が安置されております。

山鉾建ての位置：新町通仏光寺下

保昌山（ほうしょうやま）Hosho Yama

平井保昌が己が懸想する和泉式部から紫宸殿南殿の紅梅を折り取って欲しいとの願いに危険をおかしてこれを取って与え思いを遂げたという伝説を表したもの。そのため、明治初年まで花盗人山と呼ばれていた。

山鉾建ての位置：東洞院通松原上

孟宗山（もうそうやま）Moso Yama

孝子孟宗は、病母が寒中に筍を所望するので、薮に入り神に祈願して鍬を入れたところ、不思議にも筍を得たという二十四考の伝説をここに表したもので、筍山ともいわれています。

山鉾建ての位置：烏丸通四条上

占出山（うらでやま）Urade Yama

神功皇后が吸収玉島川で鮎を釣って戦勝を占われた説話を象ったもので、この尊像は古来安産の守護神として祀られ、巡行のくじ巡が早い年はお産が軽いといわれている。

山鉾建ての位置：錦小路通室町東入

山伏山（やまぶしやま）Yamabushi Yama

村上天皇の頃、清水に住む浄蔵貴所という山伏が八坂の塔が皇居の方へ傾いたのを畏れ多いとし終夜等の前に座って祈祷したところ、翌朝その祈りが叶えられて真っすぐになったとの伝説を表したもの。

山鉾建ての位置：室町通蛸󠄀薬師下

霰天神山（あられてんじんやま）Araretenjin Yama

永正年間、京都に大火が起った時急に霰が降って火が鎮まりました。その霰と共に一寸二分の天神様の像が降ったのでこれを天神の加護と崇めました。一名「火除天神山」とも申し火災除けの霊験があり、「火伏せ」のお守りが出ます。

山鉾建ての位置：錦小路通室町西入

郭巨山（かっきょやま）Kakkyo Yama

二十四考のうち、貧しい郭巨が黄金の釜を掘りあてて裕福となりいよいよ母に孝養を尽くした伝説に基づいたもので、「釜堀山」ともいいます。

山鉾建ての位置：四条通西洞院東入

伯牙山（はくがやま）Hakuga Yama

この山を一名「琴破山」というのは、周の時代の琴の名人伯牙が友人鍾子期の訃を聞き「世に又我が琴を知るものなし」と嘆いて、遂に琴を破ったとの故事に基づいて作られています。

山鉾建ての位置：綾小路通新町西入

芦刈山（あしかりやま）Ashikari Yama

謡曲「芦刈」から取材したもので原典は大和物語から出ている。貧乏のため夫と夫婦別れをした女が都に出てやがて裕福になった。而して分かれた夫を思い出して難波へ行ってみると男は芦売りをしていたという話である。

山鉾建ての位置：綾小路通西洞院西入

油天神山（あぶらてんじんやま）Aburatenjin Yama

油天神山とも牛天神山ともいわれて、風早家伝来の菅原道真像を祀っています。真木の松の他に紅梅の枝を立て鈴を付けている。

山鉾建ての位置：油小路通綾小路下

木賊山（とくさやま）Tokusa Yama

謡曲「木賊」に綴られた信濃の国の木賊刈りの翁が、愛児を濯われ、後に再会の喜びに遭う物語を写しています。左手に木賊、右手に鎌を持った翁の人形は逸品であります。

山鉾建ての位置：仏光寺通西洞院西入

太子山（たいしやま）Taishi Yama

聖徳太子が四天王寺建立のため山中に入って樹を伐り給う像で運慶の作と伝えられています。この時太子が胸に掛けておられた観音様が今の六角堂の本尊ともいいます。この山だけは松の代りに杉を用いている。

山鉾建ての位置：油小路通仏光寺下

白楽天山（はくらくてんやま）Hakurakuten Yama

詩人白楽天と道林禅師との仏法大意についての問答の姿を模したものであります。前掛はタペストリーで大津四宮祭の山の見送りと共に一枚の作品でトロイ戦争の一場面と云われる。

山鉾建ての位置：室町通綾小路下

綾傘鉾（あやがさほこ）Ayagasa Hoko

傘とはいいながら真木の形式をとらず従来の風流傘をそのまま棟上に立てたのが綾傘鉾である。大神が巨旦を退治される時、鬼たちは巨旦を棄て大神に従い北天竺まで大神を送られた故事による。今は綾傘と棒ふりが再建され昭和54年から巡行に加わっている。

山鉾建ての位置：新町通綾小路東入

大船鉾（おおふねほこ）Ofune Hoko

後祭の殿（しんがり）をつとめる鉾。580年余りの歴史を持つが、元治元年（1864）の「蛤御門の変」で焼失。幸い、御神体人形や懸商品は消失を免れ「居祭」として祭事を続け、平成24年御神面を入れ唐櫃にて巡行に参加、平成26年後祭巡行の復活と共に150年振りに復興した大船鉾が巡行に参加します。

山鉾建ての位置：新町通四条下

役行者山（えんのぎょうじゃやま）Ennogyoja Yama

役行者小角が大峰山と葛城山に石橋を架けようとして、一言主神に石を運ばせたという伝説によるものです。

山鉾建ての位置：室町通三条上

鈴鹿山（すずかやま）Suzuka Yama

延喜の頃、伊勢鈴鹿山に悪鬼が出て人々を悩ませたので、鈴鹿権現即ち瀬織津姫命が捕手を励まして遂にこれを退治せられた伝説に因んだものです。

山鉾建ての位置：烏丸通三条上

八幡山（はちまんやま）Hachiman Yama

町内に祀られている八幡宮を山の上に勧請している。祭神応神天皇の像は運慶の作、鳥居の鳩は左甚五郎の作。

山鉾建ての位置：新町通三条下

黒主山（くろぬしやま）Kuronushi Yama

謡曲「志賀」に象った山であります。大伴黒主が志賀の山桜を、「道のべのたよりの桜折りそえて薪や重き春の山人」と詠んだ雲玉集の歌の意に因んだものです。

山鉾建ての位置：室町通三条下

浄妙山（じょうみょうやま）Jomyo Yama

平家物語、宇治川の合戦の際、宇治橋上で筒井浄妙奪戦の時、後より進んできた一来法師が「悪しゅう候、御免あれ」と浄妙を飛び越えた場面を作ったものです。

山鉾建ての位置：六角通烏丸西入

北観音山（きたかんのんやま）Kitakannon Yama

上り観音山とも云います。安置されている楊柳観音像はもと恵心僧都の作でしたが、天明の大火で焼亡の後は法橋定春作のものとなりました。舁山であったのを曳山に改められたものです。

山鉾建ての位置：新町通六角下

鯉山（こいやま）Koi Yama

竜門の滝を上った鯉は竜になるという伝説を基にしたもので、鯉は左甚五郎の作といわれています。湖中に十両の金を落した家主の家に住む店子が買った鯉の腹中から偶然失った十両が出て来てお互いに譲り合ってこれを受けず、官の裁きによってこの像を作ったといわれています。

山鉾建ての位置：室町通六角下

橋弁慶山（はしべんけいやま）Hashibenkei Yama

牛若丸、弁慶の五条橋の伝説を表しています。牛若の人形は右近信国、弁慶は仏師康運の作と伝えられ、その持っている長刀と太刀は久道の作であります。

山鉾建ての位置：蛸󠄀薬師通室町東入

南観音山（みなみかんのんやま）Minamikannon Yama

下り観音山ともいいます。昔は北観音と毎年交代に出る定めであったのが、今は両山とも巡行することになって北と同じく改造された曳山で楊柳観音像を安置してあります。宵山の夜更け観音像を舁ぎ出して町内をあばれ廻るこれを「あばれ観音」と云う。

山鉾建ての位置：新町通錦小路上

鷹山（たかやま）Taka Yama

応仁の乱以前より「鷹つかい山」として巡行した山鉾のひとつである。令和元年（2019）から、町内什物を入れた唐櫃と徒歩での囃子を伴う「唐櫃巡行」として約200年ぶりに巡行に復帰。

山鉾建ての位置：三条通室町西入